2011年度研究報告

2011年度は、2010年の研究報告で述べたとおり、セルロース糖化技術を導入した「ヤコノール」収量の向上を目的に、調査・研究を進めました。その結果をご報告します。

2010年度におけるヤーコンの糖分のみ(糖質系バイオマス作物)を利用したバイオエタノール収量は以下のとおりでした。

ヤーコン(イモ)/0.352~0.564
ヤーコン(茎葉)/0.288
▲作物/1平方メートル当りのエタノール収量(リットル)
※出典:『エネルギー作物のバイオ燃料収量等の推計方法』新エネルギー・産業技術総合開発機構

2011年度はこれに加えて、セルロース系バイオマス原料として下記のようなバイオエタノール収量を実現しました。

ヤーコン(イモ)/0.541~0.602
ヤーコン(茎葉)/1.016

合計すると、2011年度のヤコノール収量は1平方メートル当り「2.197~2.470リットル」となりました。収穫面積を1ヘクタール(ha)とすると、平均収量は「23.34キロリットル」と資産されます。

農林水産省の発表(2005年)によれば、ヤーコンの生産に用いることのできる耕作放棄地などは約60万ヘクタール存在しています。これらをすべてヤコノールの生産にあてれば、その収量は「1,400万キロリットル」になります。この数値は、世界第2位のバイオエタノール生産国であるブラジル(1,670万キロリットル/2006年)に匹敵します。

私たちヤコノール研究所は、ヤコノール生産における課題は「年に1回しか収穫できないこと」と「製造コストが割高であること」であると考えています。今後は、ヤコノールの生産効率を重点的に研究していく予定です。